Lynx20leaf 株式会社リンクス

Ivsfixerlogobig

異体字シーケンス(Unicode IVS)とは

異体字シーケンス(Unicode IVS)とは

異体字シーケンスとは、Unicode で採用されている異体字切り替え方式で、親字の後ろに異体字セレクタ(JISでは字形選択子)と呼ばれるコードを付加して字形を表現します。 異体字シーケンスはIdeographic Variation Sequenceの訳語で略してIVSとも呼ばれます。 Unicodeテキストで異体字のデータ交換が可能となる点が優れていますが、IVSに対応したフォントとアプリケーションプログラムが必要になります。 フォントは小塚明朝Pr6Nや小塚ゴシックPr6Nなど、アプリケーションプログラムはWindows 7以降のメモ帳やMac OS X 10.6以降のテキストエディットなどがIVSに対応しています。 最近では、Windows 8の日本語入力システム(IME)とOffice 2013がIVSに対応したことから、IMEやOffice製品との間でIVSによるデータ交換が可能となっています。

異体字データベース(IVD)について

異体字シーケンスと字形の対応関係については、異体字データベース(IVD、Ideographic Variation Databaseの略)として登録することになっており、2014年5月の時点ではAdobe-Japan1コレクション(Adobe-Japan1)、文字情報コレクション(Moji_Joho)、汎用電子コレクション(Hanyo-Denshi)の3種類のIVDが登録されています 。国内の主要フォントメーカーが販売しているIVS対応の商用フォントはAdobe-Japan1コレクションのみに対応しています。文字情報コレクションは行政実務における人名の記載を主な目的としたもので、経済産業省が推進する文字情報基盤整備事業のIPAmj明朝フォントで採用されています。異なるコレクション間で同じ字形が異なる異体字セレクタとして登録されているため、準拠するコレクションの異なるフォントの適用に際して字形を維持するには異体字セレクタの変換が必要となります。

標準異体字シーケンスについて

UnicodeのCJK互換漢字には統合漢字と異体字の関係にある文字が多く含まれていますが、CJK互換漢字を統合漢字の異体字に割り当てるための異体字セレクタが標準仕様として定義されています(Standardized Variation Sequence)。 例えばCJK互換漢字の「塚」(U+FA10)は統合漢字の「塚」(U+585A)と異体字の関係にあります。 標準異体字シーケンスをサポートするフォントはまだ少ない状況にありますが、IPAmj明朝v.003.01とAdobeのSource San Hansフォントの源ノ角ゴシック書体が対応しています。

InDesignと異体字シーケンス

ペーストやドラッグ&ドロップまたは配置などの操作によって外部から取り込んだUnicodeテキスト内に含まれる異体字シーケンス(Unicode IVS)は、そのままInDesignのテキストフレームに挿入されます。 InDesignはCS4以降のバージョンでUnicode IVSによる異体字を表示することができますが、製品としての対応は表明されていません。 異体字シーケンスの存在を確認する機能や入力手段もないので、InDesignユーザーにとってIVSは扱いにくい存在です。

異体字フィクサーと異体字シーケンス

異体字フィクサーは、日本語入力システムや外部アプリケーションとはIVSで異体字を交換しながらも、IVSがドキュメントに混入するのを防止するプラグイン製品です。 InDesign内では使い慣れた字形パネル等でOpenType機能やCID番号指定による異体字を利用しつつも、外部アプケーションや外部ファイルとの入出力の際にはUnicode IVSでの異体字交換を可能とします。

※異体字フィクサーは日本語入力システムや外部アプリケーションとInDesignとの間で異体字を交換することを目的として開発された製品です。InDesignドキュメント内で異体字シーケンスを使用することを目的とした製品ではありません。 本製品によりInDesignで異体字シーケンスを扱うことが可能となりますが、InDesignドキュメント内で異体字シーケンスを使用することによる結果を改善するものではありません。異体字シーケンスを異体字のデータ交換のために使用し、InDesignドキュメント内では他の異体字切り替え方式を使用してください。